初夏＿＿＿2

◉may.13＿＿＿may.21

昨夜は、学生からいま食べたいものはなんですか？と訊かれたが、あれは一

体なんだったのだろう。唐突に、しばらく食べていないアルアビスのシュー

クリームが気になりだした。may.21

パゾリーニの不条理劇《テオレマ》＿＿＿公開当時、この作品は一体どう評

価されたのか。無自覚なエスが暴発したフロイト流解釈だろうか。特筆すべ

きは、シルヴァーナ・マンガーノのノーブルな官能性。当時ゴダールの新妻で

あったアンヌ・ヴィアゼムスキーの起用。ひたひたと余韻に浸る怪作である。may.19

忙しくはないのだが、仕事のやる気が起きない。講義準備をするか、ダンス

の音源整理をするか、ウォーキングレッスンの対応策を練るか、蓄音機コン

サートの曲目リストでもつくるか。まずは、きもちが動くところから手をつ

けるのがいちばん良いのだろう。may.18

気がつくとノーマスクの人をカウントしていたりする。昨日は２人見かけた。

一日５人いれば、その日は好い日とおもいたい。may.17

《流浪の月》松坂桃李が内省的で屈折した青年像＝文を繊細な演技で掬いあ

げている。広瀬すず演ずる更紗は、少女時代の束の間の日々がその後の人生

を決定づけてしまう。演出を支えるたしかな撮影センスにくわえて文が営む

カフェの静謐さの魅力。may.16

初講義は疲れる。しばしカフェに沈没。履修学生の特性にあわせて内容を微

調整して鮮度を保ちながら進めていきたい。

今日から《時空間デザイン》講義のスタート。初回はセルフイメージについ

て言及することになるが、岸田秀と伊丹十三の対談集の自我についての文献

がとても参考になる。may.13