3年前から《黄昏カフェ》なる隠密の茶会を開いている。
秘密にすべき重大案件を取り扱う集いでもないのだが、私がいま個人的に話して
みたい、会ってみたい人に優先的に声をかける趣旨なので、ふだん会う機会が多
い方は選に漏れてしまうことになる。選ばれていない人への配慮もあり、隠密の、
ということになる。
今年で、3回目になるこの珍奇な会は、そもそも私が一日でもっとも好きな時間
帯である黄昏時に、みんなで時間を共有するだけの趣旨なのである。なんとなく
専門性や背景や年齢もバラバラなことが風通しが良いようにもおもっている。
大体、昨今のニッポンは、余裕がないというか世知辛いというか、目標設定をし
てその目標に向かってひた走ることばかりを良しとする風潮がある。だが、本来、
人というものは、それほど合理的にもできておらず、曖昧なものを抱えながら日
常を生きているのではないだろうか。
三々五々、集まってきたメンバー。それぞれが見知らぬ人同士であるが、専門性
のちがいが故に、新鮮な出会いとなる。仕事でもなくまったくのプライベートな
わけでもない奇特な時間が流れていたようにおもう。
こんなヘンテコな企画を思いつくのは、たぶんなごやで私ぐらいであろうと、こ
れからも気まぐれに開催してみたい。