いきなりだが、女子バレーに長岡望悠という選手がいる。
エースアタッカーなので、バレーに詳しい方ならご存知かとおもう。ショート
ヘアーに筋肉質なカラダがタイの女子に人気であり、頭部から肩のラインが圧
倒的にうつくしいのも人気の理由であろう。こと試合に挑む表情は、いたって
静かであることが、かえって目をひく。そして、スパイクを決めたときの一瞬
の破顔に落差があるのも魅力のひとつであろう。気がつけば、すぐさま元の静
かな表情にリセットしているのも場をわきまえている。数年前までは、性格が
優し過ぎて結果をだせなかったらしい。試合中の様子をみているだけでもチー
ムメートへの気遣いに長けている様子が窺い知れる。そこには私が私が!とい
う自己主張はみられず、うしなってしまった日本の精神性の美徳をみるようだ。
彼女の顔相をみていると、自分がなにをすべきであり、そしてチームのなかで
どういった役割を果たせば好いのかに向き合っているように見受けられる。そ
のひたむきな表情は、われわれアートの世界ではみることのできない顔相なの
である。こんな顔のひとといっしょに仕事をしてみたい気にさせるのである。
そして同時に、自己表現ばかりを優先しがちなアート界の身勝手さ、生温さ、
不篤さに失望し、自己反省すること頻りなのである・・。
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