7月末なる日

一年で気になる月末は?

ということで記したかったのだが、あっという間に8月にはいってしまった。

やはり、まずは12/31、3/31、8/31。そして7/31ということになる。

 

7月の月末は、学生なら夏休みに入っており、明日はたしか出校日という日に

あたる。できの好い子は、早々に宿題も済ませている。一日の出校日には、こ

れからは悠々自適に、おもいのままの夏休みを過ごそうというクラスメートが

散見された。爛々と目が輝いており、カラダから若いエネルギーが発散されて

いるようだった。だが、ぼんやりとしたかぼちゃ頭の一少年には、その光景は

ひたすら眩しく、なにやら鬱陶しい光景とさえみえていたのである。では、自

堕落な少年は、いかにながい休みを過ごしていたかというと、ひたすら無為に

過ごしたのである。勉強をする訳でもなく、友だちとあそぶ訳でもない。簾の

むこうで、ちりちりと照り返す夏の日差しを疎ましく観察する。うたた寝をす

る顔に、たかる蠅をどこまでそのままにしておくのか。などという極めて不衛

生な実験活動に勤しむ。新聞に折り込まれた住宅の間取り図を日がな一日観察

する。ここには北窓がほしいとか、廊下の巾はあと一尺狭い方が好ましいなど

と隠居じみた空想に耽るのである。小学生にしてもはや老境の偏執じいさんの

域である。この自堕落ぶりは、小学生時だけではなく高校生の頃まで維持し続

けた。受験生となり、さすがに後半からはあらためることにはなるのだが・・。

 

いまなら目標を定めて、40日をいかに有効に使うのか考えながら過ごすのだ

ろう。だが、大人になるとそんな自由な長い休暇は、もはやもてない。皮肉な

ことである。

7/31という一日は、この長い夏休みを区切る唯一の日として存在する。

自堕落な夏時間に決別して、明日からは心あらためて有意義な時間を過ごすの

だと思い直す日。だが、儚くもヤワな決意は、砂上の楼閣として一日で消え去

る。翌日の出校日を終えたぼんくら少年は、その日の午後のうちに、まぁ、楽

な方がいいか〜とせんじ氷を食べながら死んだ魚のような目で、懶惰な時間に

吸い込まれるのである・・。