名古屋モード学園《時空間デザイン》講義の最終日のショーイングを終える。
身体を基軸として、自身の周辺世界を見つめる異例なこの講義も4年目を迎えた。
なにより、空間とともに時間をデザインする講義は、ほかの専門学校や大学でも
希少なことである。時間をデザインする実感は、学生自らの身を持って体感して
もらうのが、もっとも最適な方法であると信じている。毎回2時間全8回=合計
16時間のタイトなものだが、限られた時間のなかで学生の細胞がみるみる新し
く生まれ変わってゆくのが目の当たりにできる。
'80〜'90年代とちがい、いまはファッション界に元気がない。そんな時代には、
商品をいかに見せるのか、その表現手法に大いなる可能性を残している。F.ショ
ーが、百年一日のごとく代り映えのしないのが、まことにふしぎである。ここま
で変化がないのは、よほど保守的な業界なのか、もしくは我々が知る由もない闇
を抱えているのかもしれない。
とにかく、多くのファッション専攻の専門学校や大学に演出講義がないのを残念
に想う次第である。