暗がり美学編を終えて

谷崎ノ名著=陰翳礼讃には、すくなからず影響を受けている。

奇遇にも、音楽家の高山葉子さんもこの書には、只ならぬ影響を受けたそうで

ある。そこで、今年の◎身体学級2015【未来ノカラダ】では、暗がり美学編

と題して、闇や光、影が織りなす環境と心理の変化を扱うことにした。

まずは、持参いただいた懐中電灯で自己紹介からはじまる。光の扱いで、その

人となりがみえてくるという案配である。そして、「あなた」という対話を、

やはり光を用いて交流する。後半は、事前に設えた照明機器のインスタレーシ

ョンを選んで使いながら、静止画をつくってゆく。また、三人グループにわか

れて、照度をコントロールしながら時間要素も加味して、光のドラマをつくっ

てゆく。闇のなかで、たのしそうに試行錯誤する参加者の姿が印象に残った。

 

後半になるにしたがって、途方に暮れるのかおもったのだが、アイディアがわ

きでて、収拾がつかないようで、演出する楽しさを味わっていただいたようで

ある。

 

事後感想としては、今回のプランは、アート企画としてではなくインテリアの

ショールームなどで展開できれば、ちがう意味合いを持ち社会的な発展性が生

まれるのでは、と云うこと。だが、アートとして扱ってしまえば、ごく限られ

たひとしか参加していただけない。そういう意味でも、ショップに勤務される

方やインテリア、建築設計にかかわる方々によりおおく参加いただきたかった

・・。