33F階段裏スタジオ

 

教鞭を執って10年になる専門学校では、F.ショー演出の講義がなぜかない。

ファッションに関して、中部随一の有名校であるにもかかわらずである。それ

に、校内には立派なホールも備えている。訝しくおもい、この10年間ず〜っと、

提案し続けてきて、ようやくおもいが叶う。この6月から舞台芸術の演出講義

が実現することになったのである。名づけて《時空間デザイン》講義。

 

昨日は二回目だが、イキナリF.ショーのプレゼンテーション。4人のモデルを

使い3分間の時間構成でショーイングするのがテーマ。通常の教室では無理な

ので、上階の階段裏をスタジオ代わりに実施。これも名づけて<33F階段裏

スタジオ>。名駅の夜景を借景にして行う。多分、3分では時間が足らず、4

分、5分、、とタイムオーバーしてしまうものと予想したのだが、意外や2分

で終わってしまったりと、逆に時間を有効に使いきれない傾向にあった。選曲

した曲調にあわせた歩行スピードやモデルとしての姿勢やウォーキング。ポー

ジングの時間コントロール、コーナーターンの手法など、カラダの動きをすべ

て意識して様式化してゆくこと。たった3分のショーでも気をつけるべき要素

は多い。

 

偶々、通りがかった先生も興味津々のようで、観客席にてご観覧された次第で

ある。これからも、先生方や受講していない生徒が覗きにくるような講義であ

り続けたい。

 

さて次週は、二百文字小説を書いてきてもらい、それを立体として立ち上げる

試みをする。どうするかって?それは私にもまだわからない。毎週、時間と空

間をいかに設計するかの実験講義なのである・・。